夜間の車両故障時にやるべき安全対策とは

停車したらまずやるべき灯火の操作

夜間に車が故障して停車すると、まわりからの見え方が一気に悪くなります。まずはハザードランプを点けて、自車の存在を知らせることが最優先です。特に高速道路では、走行中の車がスピードを出しているため、こちらが止まっていると気づかれるまでに時間がかかります。ハザードに加えて、尾灯や駐車灯も点けておくと、より目立ちやすくなります。

停車後は、慌てずに灯火類がちゃんと作動しているかを確認しましょう。バッテリーの状態によっては、ライトが点かなかったり、途中で消えてしまったりすることもあります。暗がりの中では、思っている以上に車のシルエットが周囲から見えません。まずは「ここに止まっている」とわかるようにするのが、安全対策の第一歩です。

灯火だけで状況が改善するわけではありませんが、それを怠ると後続車の反応が遅れ、追突など二次被害につながるおそれがあります。

三角表示板と発煙筒の使い方

灯火に続いて大事なのが、視覚的に「危険な停止中」であることを示す器材。代表的なのが、三角表示板と発煙筒です。高速道路や自動車専用道路で緊急停車した場合は、停止表示器材(例:三角表示板または法令適合の停止表示灯)の設置が義務となっています。発煙筒は積んでおくこと自体は義務ですが、停車時の設置は義務ではありません。

三角表示板は、車の後方50m以上の位置に置きます。カーブの途中や見通しの悪い場所では、さらに距離を取ったほうが安心です。組み立て式のものが多いので、あらかじめ練習しておくと、本番でも慌てずに済みます。収納場所は、トランクの奥ではなく、すぐ取り出せるところに置いておくのがおすすめです。

発煙筒は、助手席の足元などに備え付けられていることが多く、キャップ部分を擦って着火します。強い光と煙で、夜間でも目立ちやすいのが特徴です。使い切りタイプのため一度しか使えず、使用期限もあるので点検しておきましょう。ただし、トンネル内やガソリンが漏れているときは使わないでください。

最近では、LED式の非常信号灯や、ライト機能付きの三角表示板なども出てきています。停止表示器材として使う場合は、法令で定められた性能を満たしているか確認して選ぶことが大切です。明るさや収納しやすさにも注目すると良いでしょう。

避難と救援依頼の正しい流れ

器材を設置したら、次は自分と同乗者の身を守る行動に移ります。車の中にとどまるのは非常に危険です。なるべく早く車外に出て、ガードレールの外側や安全な場所まで避難しましょう。後方から走ってくる車に気づかれにくい状況では、ほんの少しの油断が命取りになります。

避難できたら、携帯電話や非常電話を使って救援を依頼します。JAFに連絡するのもいいですし、自動車保険にロードサービスが付帯していれば、そちらに連絡しても構いません。また、「#9910」は道路緊急ダイヤルとして、道路管理者への通報に使えます。普段からこういった番号をメモしておいたり、スマホに登録しておいたりすると、いざというときに役立ちます。

救援を待っているあいだは、車に戻らないようにしましょう。状況が落ち着いて見えても、暗がりでは他の車が突然現れることがあります。とくに高速道路では、ドライバーがこちらを見落とす可能性もあるため、安全な場所で待つことが重要です。