高速道路のトンネルで火災が発生したら

首都高では年に20件ほど発生していて注意が必要

車両火災というのはどこでも発生する恐れがあるのですが、特に注意すべきなのはトンネル内で起こってしまった場合です。
トンネルが多い首都高では毎年たくさんの自動車火災が起こっており、平均して年に20件ほどの報告があります。

その原因としては、車の整備不良が多く見られます。
クーラントを交換したり補充していなかったり、エンジンオイルが減っていたりしてエンジンがオーバーヒート、焼き付きを起こして火が出てしまうのです。

また、足回りが異常に過熱してオイルやタイヤに火が回って、全体の火災につながるケースもあります。
この場合は、タイヤの空気圧が足りないとかブレーキ回りの整備不良が考えられます。
こうした整備不良の他にも、事故による火災も数件報告されています。

火災に遭遇したらすぐに非常口に避難

トンネル内の火災が危険なのは、まず逃げ場がないことから自分も火災の被害に遭いやすいという理由です。
前方で火災が発生すると、後方の車は完全にストップしますので身動きが取れず、火が回りやすい状況になります。

また、有毒なガスが発生しても、トンネルなので換気が悪く逃げていかないためガスによって被害を受けることもありえます。
火元まで遠いとしても、有毒ガスはかなりの範囲にわたって広がることがありますのですぐに避難しないといけません。

もし出口に近いところであれば、そこから外に出ることができます。
しかし、トンネルに入ってからしばらく走った状態で火災に遭遇したら、非常口に避難しなければなりません。
トンネル内部には非常口が必ず設けられていますし、照明付きの案内板で最寄りの非常口への方向や距離が記されています。

本当に非難が必要な状況か分からないとしても、少なくてもすぐに非常口がどちらにあるのか、どのくらい遠いのかといったことは確認しておきましょう。
そして火が近いとか煙が来ているということが分かるようなら、ためらわずに早く非難することが肝心です。

トンネルに残した車はどうなるのか

火災が発生した場合、車はそこに置いたまま、できれば路側にできるだけ寄せて残していきます。
こうすることで、消防車が到着しやすくなりますし、他の人が避難しやすくなります。
そして、消防による鎮火作業が終わった後、現場に戻って車を引き揚げることができます。

火災被害に巻き込まれてしまうのではないかなどの心配もあるかもしれませんが、車と一緒に残るのは危険です。
自分の命がなによりも大事ですので、人命優先で動くようにしましょう。
車はその後警察と消防の指示で、安全が確保されてから取りに行けますので、まずは非難をすることが大事です。