高出力エンジンが生み出すスポーツ性能
GRヤリスには、1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」が搭載されています。このエンジンは、量産型の3気筒としては世界でもトップクラスの性能を持ち、最高出力は改良前の272PSから、2024年モデルでは304PSへと強化されました。最大トルクはおよそ370Nmを超えており、発進から加速までの反応は非常に鋭く仕上げられています。
この高出力を支えるのが、軽量で高剛性なボディです。ルーフには炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用し、アルミ素材のボンネットやドアといった軽量部品も各所に採用されました。これにより車両重量を抑えつつ、剛性面でも優れたバランスが確保されています。エンジンとボディの組み合わせにより、0-100km/h加速はおよそ5.5秒。日常使いからサーキットまで対応するパワートレインに仕上がっています。
また、補機類の配置も工夫されており、エンジンの重心が車体中央寄りに設計されています。これによって旋回時の安定感が高まり、ドライバーの意図に応じた応答性が得られます。加速・減速・旋回のすべての場面で、車体全体がバランスよく動く構造です。
GR-FOURによる4WD制御の特徴
GRヤリスには、トヨタが開発した電子制御4WDシステム「GR-FOUR」が採用されています。このシステムは前後のトルク配分を状況に応じて自動で調整し、あらゆる路面で安定した走行を実現します。3つの走行モードが用意されており、「NORMAL」では前60:後40、「GRAVEL」では前53:後47、「TRACK」では前後の比率を最大で30:70まで変化させることが可能です。
TRACKモードを選択すると、カーブ中のトラクション性能が向上し、車体の動きに対して細かく駆動力が調整されます。これにより旋回時の安定感が増し、意図したラインを外さず走ることができます。滑りやすい路面でも高い走破性が保たれ、ラリー由来の4WDらしい制御が感じられます。
駆動配分の変化はドライバーの操作に応じて即時反映されるため、コーナーの立ち上がりやブレーキングの挙動もスムーズに変化。限界走行時でも余裕を持たせた制御がなされており、操作に対する信頼感が高まります。
操作性を高めるトランスミッションと足まわり
GRヤリスには、6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)と、新たに採用された8速AT「GR-DAT」の2種類が用意されています。GR-DATはスポーツ走行にも対応するトルコン式ATで、シフトレスポンスが速く、ドライバーの操作意図に素早く反応。発進時にはローンチコントロールを活用することで、タイヤの空転を抑えた効率的な加速が可能です。
サスペンションには、前輪にマクファーソンストラット式、後輪にはダブルウィッシュボーン式が採用され、コーナリング中の接地性や追従性を重視した設計。加えて、「EXPERT」モードでは横滑り防止装置のVSCが一時的に解除され、より自由度の高いドライビングが可能です。
変速の応答性と足まわりの動きが連携しており、加速時も減速時も車体が自然に動きます。こうした細部の設計により、スポーツ性能だけでなく、安心感のある操作感が得られます。