自動車に搭載されているブレーキの種類
自動車に乗っている時に必ず使用することになる機能の一つがブレーキですが、運転者が操作をすることができるブレーキは二種類あります。
一つが運転中に足元で踏み込んで使う「フットブレーキ」であり、もう一つが駐車時に誤ってタイヤが動かないように固定をする「パーキングブレーキ」です。
フットブレーキはないと運転そのものができないので免許のある人ならずともどういう操作をするかわかるかと思いますが、パーキングブレーキは免許を取得してからほとんど使ったことがないという人もいるようです。
パーキングブレーキはAT車にだけついているもので、MT車の場合はギアを「P」の位置に入れることで同様の機能を得ることが出来ます。
そのため年配世代の方などは若い時期にはMT車には乗っていたけれども最近はAT車ばかり乗っているという場合には、そもそも昔からパーキングブレーキを入れるという習慣がないためについ入れ忘れてしまっているというケースもあるようです。
たしかにパーキングブレーキはなくても駐車をすることはできるのですが、安全面を考えたときやはり必ずブレーキをかけておいた方がよいと言えます。
パーキングブレーキの必要性
AT車を運転するとき、走行をする前の停車中に入っているのは「P」のギアでありこの状態でも前後に動くことはありません。
これは走行するためのギアに車輪の歯車が入っていないためなので、そのままでも駐車をするという機能には全く問題はありません。
しかしAT車の「P」のブレーキに入る歯車はほとんど強度のない、要するに「走行をするギアに入れないようにしているだけ」という状態です。
フラットな道路の上で何事もなく停車をしているときにはよいのですが、例えば万が一の事故で背後から衝突をされたりした場合はどうでしょうか。
その場合単に止まっているだけのAT車は車輪をとめておく歯車の力がほとんどなく、思い切り制動の影響を受けてその前の車や障害物に突っ込むことになります。
ですが強いワイヤーでタイヤをとめるパーキングブレーキを引くことでそうした外部からの衝撃に対して車体を動かなくすることができるので、二次被害を防ぎやすくなります。
法的な運転基準では駐車中は必ずパーキングブレーキを引くものと決められていますので、仮に罰則にはならないとしてもできるだけ停車中に必ず引くようにしましょう。
フットブレーキは前後二カ所
さて運転中に使用するフットブレーキですが、踏む場所は1箇所ですが実際のブレーキは前後二カ所ずつ合計四カ所に設置されています。
オートバイの場合には手元で操作するフロントブレーキと足で踏み込むリアブレーキの二カ所がありますが、自動車では特別な車種でない限り前後を別々に操作することはできません。
正確にはフロントブレーキのことを「ディスクブレーキ」、後輪のブレーキは「ドラムブレーキ」と呼びます。
特殊な車種になると前後両方の車輪にドラムブレーキを搭載しているということもありますが、よほどのことでもない限り一般向けの車種では前後車輪で異なるブレーキシステムが搭載されています。
フロントブレーキでは「ブレーキパット」と呼ばれる板状のものを摩擦させて前輪の回転をとめるという方法が取られているので、走行距離や経年劣化によって板材が傷んだときには交換をしなければいけません。
もしブレーキを踏み込んだときに「キーキー」というような異音がしたらブレーキパットの摩耗が進んでいることが考えられるため、早めに点検を受けるようにしましょう。