軽自動車に軽油を入れるトラブルはどうして起こるのか

車の燃料は3種類

1998年に給油に関連した法令が改正され、セルフ式のガソリンスタンドが登場しました。
フルサービスのガソリンスタンドと異なり、セールストークを受けることがほぼなく、価格も総じて安いことから広く人気を集めています。
一方で、ドライバーが燃料の選択を間違えて給油してしまったというトラブルも起こっています。
特に多いのは、「軽自動車に軽油を入れてしまった」というケースです。
こうした事態を避けるためには、自動車の燃料についてよく理解しておくことが大切でしょう。

自動車の燃料としてガソリンスタンドで販売されているのは「ハイオク」「レギュラー」「軽油」の3種類です。
ハイオクとレギュラーはガソリンエンジンの自動車用であり、軽油はディーゼルエンジンの自動車用です。

ハイオクとレギュラーの違いは「オクタン価」にあります。
オクタン価とは、エンジン内部において燃料が正常に燃焼するかどうかを示す指標であり、ハイオクはよりオクタン価が高い、つまり異常な燃焼が起こりにくいのです。
ただし、オクタン価を高める精製プロセスには一定のコストが発生するため、レギュラーよりもハイオクの価格は高くなっています。

軽油という名称の理由

軽油という名称は、重油との比重が異なることに基づいています。
ただし、海外では「ディーゼル」という呼称が一般的なので、日本国内でも給油トラブルを避けるために呼称を変更すべきではないかという意見が少なくありません。

軽自動車に軽油を入れると起こるトラブル

ガソリンとディーゼルの違いは「燃えやすさ」にあります。
ガソリンは火を近づけるとすぐに燃えるという性質があります。
そのため、ガソリン車のエンジン内部には点火プラグが取り付けられており、その火花でガソリンを燃焼させているのです。

一方、軽油は発火性が低いため、火を近づけてもほとんど燃えません。
そのため軽自動車に軽油を入れてしまうと、燃料の不完全燃焼が起こってしまうため、アイドリングが次第に不安定になりエンジンも徐々にパワーを失っていきます。
長時間エンジンを動かしていると、マフラーから黒い煙が出始め、やがて停止してしまうでしょう。
その結果、エンジンや周辺のパーツが損傷を負ってしまうというリスクもあります。

給油している際に燃料の間違いに気づいたなら、そのままエンジンをかけず速やかに自動車工場へ連絡をして対応してもらいましょう。
補給した燃料が少量であれば、燃料を入れ替えるだけで完了します。
一方、給油した量が多いと、燃料タンクやバルブなどを外して洗浄しなければなりません。
不要な出費を避けるためにも、「自分の車はガソリン車かディーゼル車か」をいつも念頭に置いておきましょう。